所有者のオーダーメイドによって建てられる注文住宅は、注文から施工、完成までいくつかの段階を経ることになります。 注文住宅を建てるためには、あらかじめ先に土地を購入したり、建物の完成前にまとまった金額を支払う必要が出てくるため、建売住宅以上にきちんとした資金計画を立てなくてはなりません。 そこで今回は、注文住宅においてどのくらいの費用が必要になるのかをご紹介いたします。
注文住宅の場合は、3回から4回程度の工程ごとに分けてお金を支払うことになります。
工事請負の契約時に「建築確認申請費」や「工事契約金」などのお金を支払います。これは建築費全体の1割程度が目安となります。
建物の着工時に「着工金」を支払います。宮司さんを呼んで地鎮祭を執り行う場合は、そちらに支払う費用も必要です。この段階で支払うお金は、建築費全体の約3割程度となります。
建物が出来あがった上棟時に「中間金(建築費全体の約3割)」を支払います。
そして最後に、所有者に建物を引き渡すタイミングですべての残りの額を支払うことになります。
住宅ローンを組んでいる方も多いとは思いますが、注文住宅の場合ローンのお金が下りる前に全体の7割もの費用を支払わなければならないため、現金で支払いができない場合は「つなぎ融資」というサービスを利用して支払いを進めることになります。
また、注文住宅の注意点としては、抵当権が設定できないためにマンションや建売分譲住宅よりもローンがスムーズに借りられない場合があります。
注文住宅における住宅ローンの借入については、建物の建築確認が下りてはじめてローンの本審査が受けられます。審査に通れば、建物の着工前でもローンを借りることが可能になります。
具体的なプロセスとしては、以下の通りとなります。
住宅ローンの審査には、事前審査と呼ばれるプロセスがあります。住宅の見積もりや具体的なプランが決まった後は、金融機関で事前審査の申し込みを行います。
1の事前審査に通過したら、施工会社と工事請負契約を結んで建築確認申請を行います。ただし、本審査が通らなかった際に契約が解除できないと困ってしまいますので、契約書に「ローン特約」の記載があるかどうかを確認してください。
建築確認申請が下りた後は、いよいよ本審査に入ります。これが通った後、住宅ローンを実行することができます。
通常、住宅購入の際にかかる税金や手数料などの諸費用は、ローンなどではなく現金で用意することが理想的とされています。
建売住宅でも基本は同じですが、安易にいろいろな金融機関からローンを借り受けてしまうと、その後住宅ローンの本審査に通りにくくなってしまいますので注意が必要です。
また、注文住宅の場合は、住宅ローンでどこまで工事費用に含められるかが問題となります。建物の外を囲う塀、庭の植木、敷石などの外構部分は、工事請負契約書の中に見積もりがされているかどうかが問題です。
中には建物の引き渡し後に専門店で別途行うケースもありますので、確認が必要です。工事請負契約書内に外構を盛り込む場合は、工務店が業者との間に入る形になり、その分の手数料が発生することもあります。
このような複雑なケースの場合、外の工事ができずに自己資金で行う必要が出てきてしまいますので、あらかじめ多めの現金を用意しておくなどして対応しましょう。
注文住宅の購入にはまとまった資金や段階的なプロセスが必要となりますので、あらかじめ支払いの流れを確認して、予算の目途を立てておきましょう。