住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを借り入れてマイホームなどの家屋・住宅を取得する際に、取得者にかかる金利負担を軽減してくれる制度のことです。新築住宅だけでなく中古住宅も減税の対象となります。
具体的には、毎年度末の住宅ローンの残高もしくは住宅の取得対価のうち、どちらか少ない方の金額の1%が10年間に渡って所得税から控除されます。所得税からは控除しきれないケースでは、住民税からも一部の金額が控除されます。
金利負担は決して小さな金額ではないため、減税制度は住宅の取得にあたってぜひ利用しておきたいところです。平成26年4月からは、それまでの減税制度からさらに一歩進んで、消費税率の引き上げにともなって内容を拡充しています。
減税制度を受けるための条件としては、「床面積が50平米以上であること」「借入金の償還期間が10年以上であること」が最低条件となります。
この2つをクリアしていれば、最大控除額が一年あたり40万円×10年(400万円)となり、1%の控除率を10年間維持できます。住民税からの控除上限についても13.65万円/年となります。
また、この減税制度は建物の取得だけでなく、「増改築」「建築基準法に規定する一定規模以上の修繕または模様替えの工事」「家屋の居室や調理室、浴室、便所、洗面所、玄関や床または壁のすべてについて行う修繕、模様替えの工事」「耐震改修工事」「省エネ・バリアフリー改修工事」などについても、100万円以上が工事費用にかかった場合は、住宅ローン減税の対象とされるためお得感があります。
住宅の建て増しや模様替えなどにあわせて住宅ローン減税が利用できますが、「省エネ」「バリアフリー」などの工事については、「リフォーム減税(特定増改築等住宅借入金等特別控除)」と呼ばれる制度を利用するほうが安く済む場合があります。
住宅ローン減税とリフォーム減税の併用はできませんので、お得な方を選んで利用することになります。
参考:「住宅ローン減税制度利用の要件」 国土交通省 すまい給付金
http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/requirement.html
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母が20歳以上の子どもや孫に「生前贈与」を行う場合について、課税の心配なく2,500万円までの金額を渡せるというものです。
この制度の特徴として、2,500万円までの贈与については「贈与税」と呼ばれる税金がかからないことにあります。一括で2,500万円を払わなくても、分けて贈与した場合でも同じく贈与税は課税されません。
相続時精算課税制度の利用には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に、納税を行う場所の所轄の税務署に下記の書類を「贈与税の申告書」に添付するかたちで提出します。(※1)
※1 詳細は国税庁ホームページの「No.4304 相続時精算課税を選択する贈与税の申告書に添付する書類」をご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4304.htm
期間が定められていますので、この期間内に提出ができなかった場合は、その年の相続時精算課税制度の適用がされないことに注意が必要です。
親や祖父母からの贈与額が2,500万円を超えた場合については、超過分に対して一律で20%の贈与税が課税されますが、贈与税は相続時に相続税額から差し引きが行われます。また、相続税額が少額の場合は差額が戻ります。
相続時精算課税制度は子どもや孫が選択して利用できる制度です。訳あって、父親からの贈与は相続時精算課税制度を利用するが、母親からの贈与は利用しないといった使い分けも可能となっています。
いずれにしても、相続時精算課税制度は2,500万円までの多額の財産を無課税で贈与できるのが最大のメリットとなります。子どもに対して、父親が2,500万円、母親も2,500万円を贈与できるため、課税なしで多額の生前贈与を行えるというのも魅力です。
参考:「相続時精算課税制度のあらまし」 国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4103_sankou.htm